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理工展作品紹介
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Offshore Windmill with Flywheel

 Xplore2015が一息ついたので、製作した機体についてまとめておこうと思います。

 今回、私たちが作成したOffshore Windmill with Flywheel (はずみ車付き洋上風力発電気)は、従来の洋上浮力発電機が抱えているいくつかの問題にチャレンジすべく作成されました。洋上風力発電機には大きくわけて2つのタイプのものがあります。

洋上風力発電機

ひとつは水深50m以下で使用される着床式のもの、もうひとつは水深200mまでいける浮体式のものの二種類です。両者に共通しているのは建設するために海底での工事を必要とすることです。波の揺れによって風車が倒れたり、装置が劣化することを防ぐために強固なワイヤーで風車を安定させることが必要だからです。では、更に深い海ではどうでしょうか。これ以上深い海では海底での工事が難しく、建設コストが発電による利益を上回ってしまいます。しかし、地球上に存在する海の実に80%以上がこの200mを超える深海です。もし深海でも使える風車があれば、この莫大なエリアをエネルギーの供給源として使えるようになります。そこで、私たちは深海でも使えるモデルとして、従来のワイヤー固定式の風車ではなく、風車自身による動的姿勢制御方式を考えました。

洋上風力発電機(Flywheel) 倒立紳士

仕組み自体はいたって簡単で、風車にFlywheelを取り付け、揺れに応じてFlywheelを回転させることで姿勢を制御します。いわば水上の倒立振子です。そして完成がしたのがこちら。

完成写真 実験写真

 ごちゃごちゃしていてよくわかりませんが、全長1m, 重量27kgの巨体です。全体はアクリルで出来ており、台座部分には20kgの錘(オリンピック競技用のダンベルを使用しました)と浮力用のスタイロフォームを積んでいます。肝心な制御部分は秋月で買ったステッピングモータST-57BYG076とモータドライバを2つ積んでいます。

 ユニークな点としてはあらゆる方向への揺れに対処するためにFlywheelの向きを変えられるようにしたことです。FlywheelをX,Y方向の2つ積むことも考えましたが、少しでも機体を軽くしたかったのでこの方法を取りました。しかし後々、制御で泣くことになります。

モータ制御部

 完成したのは最終ビデオ審査の一週間前というガバガバなスケジューリングの中で、最後まで実験を繰り返し風車の揺れの制御を試みました。しかし、モーターの振動でジャイロスコープにノイズが乗ったりFlywheelの向きの制御が混沌と化したり(暴れまわるFlywheel)そもそも何をもってこのProjectは成功と見做すのかといった問題が浮上し、テスト期間中であったことも相合わさってかなり厳しいものづくりとなりました。

制御システム 集合写真

 結果こそ最終選考通過ではありましたが、Projectを進めていく上での様々な問題点が明らかになったのではないかなと思います(スケジューリング、マネージメントetc.)。次にまた大きなProjectをする機会があれば、この反省をいかしてもっと完成度の高いものづくりをしたいと思います。